bZ4Xの特徴
今、世界中で電気自動車(BEV)の普及が加速しています。化石燃料を使用しない(直接的には)BEVは、温室効果ガスであるCO2排出が抑えられ、地球環境に貢献するとして大きな注目が集まっており、次世代の自動車として世界中にその市場が拡大しています。
市場の占有度に関しては、中国のBYDやアメリカのテスラに先行されている感がありますが、日本の大手自動車メーカーも、ここにきて開発を加速しており、今後日本においてもBEVへの移行が進んでいくことはおそらく間違いないでしょう。
ハイブリッドカーでエコカー市場をけん引してきたトヨタも2022年5月12日、SUBARUと共同開発したトヨタ初の本格BEV「bZ4X」を発売し本気を見せ始めています。その証拠に当初はリースのみでの取り扱いでしたが、2023年11月13日からトヨタ販売店での一般販売が開始しました。
そんな身近な存在となりつつあるトヨタのBEV「bZ4X」ですが、一般販売が開始のニュースを見てあらためて興味を持ったという方もきっといるでしょう。では「bZ4X」はどんな車なのか、電費や装備、室内の広さや走行性能などについて、あらためて詳しく解説します。
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POINT1
車種の概要
トヨタ「bZ4X」は、SUV型のバッテリーEV(BEV・電気自動車)です。サイズは全長4,690㎜×全幅1,860㎜×全高1,650㎜で、ハリアーやRAV4などに近くミドルサイズのクロスオーバーSUVとしては標準的なものといえます。
車体はSUBARUと共同開発したbZ4X専用プラットフォーム「e-TNGA」が採用されており床下に71.4 kWh 355 V の薄型リチウムイオンバッテリーを配置し、モーターとトランスアクスル、インバーターを一体化したe-Axleをトヨタでは初採用しています。BEVらしい合理的なパッケージングを実現しつつ低重心化も両立しているため車内スペースも広く、また、最小回転半径も5.6mと車体サイズに対して小回りが利くのも特徴となっています。
一充電走行距離はZグレードのFFモデルが559㎞でGグレードのFFモデルが567㎞です。4WDモデルはZグレードが540㎞でGグレードが551㎞となっています。価格は6,000,000~6,500,000円ですが、令和4年度補正予算「クリーンエネルギー自動車導入促進補助金」を利用することで850,000円の補助金を受けることが可能です。
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POINT2
グレードの構成
bZ4Xのグレードは「Z」グレードと「G」グレードの2グレードとなっています。以前はZグレードのみの展開となっていましたが、2023年10月25日にマイナーチェンジが実施され新たに、エントリーグレードのGグレードが追加されています。
- ・Zグレード・FWD 6,000,000円
- ・Zグレード・4WD 6,500,000円
- ・Gグレード・FWD 5,500,000円
- ・Gグレード・4WD 6,000,000円
Zグレード、Gグレードともフロントにモーターを搭載したFWDと、フロントとリアにモーターを搭載した4WDが用意されています。
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POINT3
運転のしやすさと乗り心地
bZ4Xは純粋なBEVですが、ガソリンエンジン車と運転感覚はあまり変わりません。インテリアこそ先進的なイメージでまとめられていますが、操作感などは、通常のガソリンエンジン車やハイブリッドカーと同じで運転席回りのスイッチ類なども一目で機能がわかりやすいものとなっています。また、ステアリングやペダルなどの操作系も違和感なく、だれでもすぐになじむことができるでしょう。
走り出してみても違和感はなく、例えるならハイブリッド車のEVモードでの走行がずっと続くとイメージするといいかもしれません。特別感がないので運転はしやすいといえます。また、BEVだからといって大きなトルクによる過剰な加速力が味わえるということもなく、加速感減速感はこれまでのガソリンエンジン車やハイブリッド車とほとんどかわりません。
取り回しに関しても、ホイールベースはハリアーやRAV4よりも長いですが、最小回転半径は5.6mと小回りも効くので都市部の細い路地や、コインパーキングなどでも取り回しは良好です。
乗り心地は、BEVらしく車の動きは落ち着いていて、しっとりとした乗り味です。また重心が低いためかコーナーでのロール(車体の傾き)も小さく、挙動も安定しています。
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POINT4
エクステリアの特徴
bZ4Xのエクステリアデザインは非常に個性的です。全体のフォルムはクロスオーバーSUVのようなイメージで、ハリアーやRAV4などに似ています。BEVだからといって極端な近未来感などはなく、スマートな都会派クロスオーバーSUVといったところでしょうか。
最低地上高は180㎜とライバルに比べると低めで乗用車的ですが、盛り上がったフェンダーと、その周りの大型のアーチモールがアクセントになっておりSUVらしいワイルドさも感じられるものになっています。
フロントフェイスはハンマーヘッド形状の、先進的でシャープなデザイン。開口部の小さい厚めのバンパーと、シャープなヘッドライトはBEVらしいスマートなイメージがあります。そしてサイドから見ると、伸びやかなプロポーションで2,850mmというロングホイールベースが印象的です。いかにも車内スペースが広そうな印象もうかがえます。
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POINT5
インテリアの特徴
インテリアもBEVだからといった特別な印象はありません。bZ4Xの室内サイズは室内長1,940mm×室内幅1,515mm×室内高1,160mmでホイールベースが長いこともあって空間はとても広々としています。ファブリック張りのインパネも低く設定されているため前方の視界もとても解放感があります。
また、足元スペースも、前後ともこのクラスとしてはトップレベルの広さがあり、座り地の良いシートに座ればまるで自宅にいるような解放感が味わえるでしょう。ただし床下にバッテリーを搭載している関係上、後席は床面とシートの座面の距離が近く、普通に腰を掛けると少し足が持ち上がってしまいます。とはいえ膝前のスペースに余裕があるので窮屈感はありません。
さらに、遮音性の高いガラスによって風切り音も小さく、どの座席に座っても静かな空間が保たれており、走行中も家族や仲間とスムーズな会話を楽しめます。
ドライバーズシートに座って目につくのは12.3インチディスプレイオーディオです。このディスプレイオーディオは通信機能を備えたコネクティッドナビ機能を搭載しておりBEV用に充電スポットや航続可能距離なども表示してくれます。また、車内Wi-Fiや専用アプリを使えばスマートフォンを車のキー代わりにするデジタルキー機能も利用でき、最新の車らしく通信によるソフトのアップデートにも対応しています。
他に個性的な部分でいうとステアリングコラムからステアリング、トップマウントメーターまでが一つのモジュールとなっている点でしょう。シフトもダイヤル式となっているのがとても個性的でBEVらしい先進性も感じさせてくれます。
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POINT6
収納、ラゲッジの特徴
ラゲッジスペースはミドルクラスのSUVとしては標準的なサイズで、容量は410Lが確保されています。2WDと4WDで荷室寸法や容量は変わらず広くフラットなラゲージスペースには、ゴルフバッグ3個が収納可能です。また後席を倒せば、シートバックまでほぼフラットになり、長尺物の積載も可能です。
Zグレードのバックドアはハンズフリーパワーバックドア(挟み込み防止機能・停止位置メモリー機能・予約ロック機能付)となっており、スマートキーを携帯していれば、リヤバンパーの下に足を出し入れするだけで自動開閉ができます。また、停止位置の記憶や自動クローズ中の予約ロックなども行えます。
車内の収納スペースとしてはその他フロントコンソールボックスや、その下のユーティリティトレー、大型ドアポケットや小物入れ&カップホルダー付きのリヤアームレストなどがあり小物の収納スペースに困ることはないでしょう。また、USB端子(Type-C)が前席と後席用に2個ずつとアクセサリーソケットなども装備されています。
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POINT7
安全性能の特徴
bZ4Xの安全装備としては全グレードに「Toyota Safety Sense」が標準装備となっています。その機能は非常に充実しており、以下のような機能が全てセットで搭載されています。
- ・歩行者・自転車運転者対応プリクラッシュセーフティ
- ・レーントレーシングアシスト
- ・レーンディパーチャーアラート
- ・全車速追従機能付レーダークルーズコントロール
- ・アダプティブハイビームシステム
- ・ロードサインアシスト
- ・ドライバー異常時対応システム
- ・プロアクティブドライビングアシスト
- ・発進遅れ告知機能
- ・ブラインドスポットモニター
- ・プラスサポート(急アクセル時加速抑制)
- ・駐車支援トヨタ チームメイト アドバンストパーク
- ・リモート機能付パーキングサポートブレーキ
- ・パノラミックビューモニター
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POINT8
燃費
ガソリンエンジン車の燃費に当たるbZ4XのWLTCモード電費はZグレードが7.81㎞/kWhで、Gグレードが7.93㎞/kWhとなっています。FWDと4WDで電費に差はありません。
この電費、ガソリン車の燃費と違ってなじみがないのであまりイメージがわきませんが、わかりやすい電費として一充電距離の電費も公表されています。こちらはZグレードが559㎞、Gグレードが567㎞となっています。これはバッテリーがフル充電状態であれば(気温や道路状況、運転状況などにもよりますが)これだけの距離を走ることができるということです。満充電でこれだけ走ることができるならガソリンエンジン車にもそん色はありません。
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POINT9
装備品
bZ4Xは「G」と「Z」という2グレードの構成となっており、もともとあったZグレードに対して、装備品を一部省力して価格を下げたのがGグレードということになります。Gグレードではホイールアーチモールなどエクステリアの塗装の一部が省かれている(材料着色)ほか、シートの素材や、オーディオ、シート他一部装備がダウングレードされています。しかし、装備内容はかなり充実しています。
まずホイールとタイヤは両グレードとも同じで235/60R18タイヤ&18×7½Jアルミホイールが装着されています。エアコンはどちらも省電力で暖房が可能なヒートポンプシステムを採用しておりバッテリーの消費を抑えつつ快適なドライブを提供してくれます。
ナノイー機能はZグレードのみですが、エアコンには「オールオート(EC)」ボタンがありこれを押すと、乗員の周囲だけを暖気で包み込みつつシートとステアリングヒーター、さらにステアリングコラム下と助手席側のロアパネルにある遠赤外線輻射ヒーターでドライバーを温めてくれて、電力の消費を抑えることができます。
また、Zグレードでは前席のシートにベンチレーション機能が備わっており、夏場も少ない電力で涼しく快適なドライブが可能です。
コネクティッドナビ対応の12.3インチディスプレイオーディオも全グレード標準装備で、こちらはUSB入力(動画・音楽再生/給電)やApple CarPlay、Android Autoに対応。さらに、コネクテッド機能で【T-Connect】マイカーサーチやヘルプネット、eケア、マイセッティングなども利用可能です。
さらにETC2.0ユニット(VICS機能付)+光ビーコンユニット標準で付いており、Zグレードは9スピーカーのJBLプレミアムサウンドシステム(Gグレードは6スピーカー)が標準で装備されています。
また、Zグレードはデジタルインナーミラー(カメラ洗浄機能付)も標準(Gグレードはオプション)で、車両後方カメラの映像を、インナーミラー内のディスプレイに表示することもできます。
大容量バッテリーを搭載するBEVらしく非常時に役立つ外部用電源ソケットが全車に標準装備です。AC100V・1500Wのコンセントが搭載されており、非常時には各種家庭用の家電に給電することができます。キャンプや釣り、車中泊などアウトドアレジャーなどでも大いに役だってくれるでしょう。
その他オプションとしてパノラマムーンルーフ(電動サンシェード/挟み込み防止機能付)も両グレードに用意されており、Zグレードはオプションでルーフにソーラー充電システムを搭載することも可能です
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POINT10
おすすめの人
bZ4Xは、登場直後にリコール問題なども起きましたが、すでにその対策を終えており、さらに実施されたマイナーチェンジによってBEVとしての魅力が大きくアップしています。新たに設定されるお求めやすい標準グレード「G」はライバルに比べてもとても魅力的なBEVといっていいでしょう。
なんといってもBEVながらスタイリッシュな都会派SUVとして魅力的ですし、扱いやすいスペックや装備を持っており大容量バッテリーで500㎞を超える走行距離も実現。ガソリンエンジン車のオーナーがはじめてのBEVを購入するなら非常におすすめできる一台といえます。車内も広く小回りも効きますし、手ごろなサイズで都市部でも扱いやすいので、ファミリーカーとしてもおすすめできます。
また、自宅に太陽光発電などを導入されているならbZ4X はV2H(Vehicle to Home)対応です。V2H機器を導入すればbZ4Xのバッテリーに貯めた電力を自宅で使うことが可能になります。うまく活用すれば自宅の電気代の節約にもなりますしBEVの充電費用もお得になります。
BEVであるbZ4Xも、V2H機器の購入時には補助金を利用できる場合もありますので、省エネやエコに関心があるという方は合わせて導入を検討されてみてはいかがでしょうか。
bZ4Xのおすすめ利用シーン
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