ヴェルファイアZプレミアの特徴

新型ヴェルファイアのグレード構成は驚くほどシンプルです。おそらく、後に他のグレードが追加されることになるのでしょうが、現状では「Executive Lounge」と「Z Premier」 という2つのグレードのみの設定となっています。位置づけとしてはExecutive Loungeが最上級グレードで、パワーユニットはハイブリッドのみ。そして2WDと4WD（E-Four）が設定されています。

Z Premier は上級グレード（現時点では他のグレードはないのでエントリーグレードですが）で、パワーユニットにはハイブリッドとガソリンターボエンジンが用意されており、2WDと4WD（ハイブリッドはE-Four）が設定されています。

それぞれの車両価格は以下のようになっています。

• ■ Z Premier（ガソリンターボ）2WD
  6,500,000円
• ■ Z Premier（ガソリンターボ）4WD
  6,748,000円
• ■ Z Premier（ハイブリッド）2WD
  6,900,000円
• ■ Z Premier（ハイブリッド）4WD
  7,120,000円

トヨタブランドの最上級ミニバンとはいえ、価格は非常に高額です。先代のヴェルファイアと比べてもかなりの価格アップです。とはいえExecutive Lounge の8,700,000円～に比べればまだZ Premierは現実的な選択となるのではないでしょうか。

ちなみに新型ヴェルファイアはZ Premierを含め全車本革シート仕様であり、安全装備のトヨタチームメイトも標準装備。アルミホイールも大径19インチが装着されているなど装備内容はかなり豪華仕様となっているので決して割高ではなく豪華な装備に見合ったとても魅力的なグレードといえるでしょう。

新型ヴェルファイアZ Premierのエクステリアは先代に比べても非常に洗練されたものになっています。ヴェルファイアらしい迫力はそのままですが、よりクールなスタイルとなっており高級感も各段に増しています。新型ヴェルファアと兄弟車である新型アルファードの位置づけは、アルファードが標準仕様でヴェルファイアがエアロ仕様というイメージに分かれており、そのためヴェルファイアにはボリューム感満点の専用バンパーなどが装着されています。

そして、ヴェルファイアといえば金属の塊から削り出したようなメッキの巨大なフロントグリルが特徴でしたが新型ヴェルファイアのZ Premierでもやはり巨大な横バータイプのフロントグリルが装着されています。しかし、ギラギラ感は抑えられており特にZ Premierはメッキも渋い漆黒メッキとなっているのでよりクールで、かつ悪そうなデザインになっています。それでいて高級感はアップしています。

さらにZ Premierはツヤ有黒塗装のフロントグリルやヘッドランプカバー、フロントバンパーガーニッシュが装着されています。また漆黒メッキのグリルモール、フォグカバーモール、そしてスモークメッキ仕様のフロントバンパーモールなどの加飾アイテムも装着されており、ガンメタやクロームメッキで高級感を重視したExecutive Loungeとは差別化がなされています。

その他ヘッドライトまわりは薄型の3眼LEDヘッドランプ（ハイ・ロービーム）とLEDクリアランスランプ（デイタイムランニング機能付き）が採用されており、それにLEDコーナリングランプ＋LEDシーケンシャルターンランプを組み合わせています。ヴェルファイアの大きな特徴ともいえるフロントバンパー左右の大型のサイドグリルもしっかり踏襲されており、上質でありながらワイルドさが感じられるフロントフェイスになっています。

ボディのサイドも個性的で複雑な曲面を使用した有機的な造形となっています。バンパーからフェンダー、ボディサイドへとプレスラインが立体感的につながっており、ウインドウグラフィックもとても個性的でこのウインドウのモールにも漆黒メッキさほどこされており、サイドモールもスモークメッキ仕様。クールで洗練された印象を強めています。

リアコンビネーションランプもヴェルファイアらしい一文字に光を放つLEDタイプ。アウターレンズ表面にはエアロスタビライジングフィンも設定されており見た目がクールなだけでなく機能的にも優れています。またリア周りにも漆黒メッキとスモークメッキがモールに施されておりボリューミーなバンパーと合わせて迫力あるリアスタイルと作り出しています。

そして足元には19インチの大径タイプアルミホイールが標準装着となっています。こちらもギラギラ感を抑えたブラックスパッタリング塗装仕上げ（Executive Loungeは切削光輝+ブラック塗装）で、スポーティなイメージとなっています。

ヴェルファイアは高級ミニバンですので、インテリアも非常にゴージャスです。インパネはドアトリムからインパネまで連続したラウンド形状で高級セダンやスポーティカーのような洗練された印象になっています。Z Premierはセンターコンソールまわりとフロントドアトリムが合成皮革巻き＋スパッタリング仕様で、こちらも非常に高級感があるものとなっています。

そして、Z Premierのセカンドシートはキャプテンタイプのエグゼクティブパワーシート仕様。インパネ中央には14インチという巨大なディスプレイがそそり立っており、コネクテッドナビ対応のディスプレイオーディオと10スピーカーも標準です。またセンターコンソールボックスにはHDMI入力端子も装備されているので後席からでもこの大画面で好みの動画を存分に楽しむことできるでしょう。さらに後席専用のモニターが欲しければディーラーオプションで後席ディスプレイを追加することも可能です。

他には下降タイプのサイドサンシェードが設定されており日差しを遮ることが可能です。こちらは電動で開閉ができるほか、作動音の静粛化や、ゆったりとした動作などをディテールまで凝っており、ただ実用的なだけでなくそういった部分でも高級ミニバンならではの演出がなされています。

ヴェルファイアZ Premierの装備はとても充実しています。シートはパワーシート機能を持ち表皮はプレミアムナッパ本革仕様。さらに快適温熱シート＋ベンチレーションシート（運転席・助手席）助手席肩口パワーシートスイッチ（シートスライド＆リクライニング）なども搭載しているので最上級の快適さを味わうことができます。

さらに運転席・助手席に加えて、後席でも左右独立した温度設定が行えるフルオートエアコンが設定されており後席の空調を抑制するS-FLOW制御により、快適性と省燃費を両立しています。

セカンドシートはフロントシート以上に豪華な、キャプテンタイプのエグゼクティブパワーシートでロングスライドやパワーリクライニング、パワーオットマン、大型アームレスト（カップホルダー各席 1 個＋ポケット付）、快適温熱シート＋ベンチレーションシート、折りたたみ式サイドテーブルまでもが標準装備となっており高級感満点。セカンドシートは特等席といっていいでしょう。

後席の頭上にはスーパーロングオーバーヘッドコンソールも装備されています。こちらには照明や各種スイッチ類、エアコン吹き出し口などを天井中央に集約しセカンドシートに座りながら反対側の窓を開閉したり照明を調節したりすることが可能。そして、スーパーロングオーバーヘッドコンソールの左右には音声認識操作が可能な電動シェード＆挟み込み防止機能付の独立ムーンルーフが装備されており解放感も味わえます。

他にはスライドドアにトヨタ車として初となる右側ユニバーサルステップを採用しており、センターピラーや左右の天井に設置されたロングアシストグリップと共に後席への乗降性を高めています。

安全装備では、最新の予防安全パッケージ「トヨタセーフティセンス」が」標準装備です。ドライバーの操作を先読みし、ステアリング操作や減速を支援するプロアクティブドライビングアシスト（車線内走行時常時操舵支援、信号交差点に対する右左折時減速支援）や高度運転支援技術「トヨタ チームメイト」もZ Premierは標準装備で高級ミニバンにふさわしい装備が満載です。

新型ヴェルファイアZ Premierには2つのパワーユニットが設定されています。それが2.4Lガソリンターボエンジンと、2.5Lガソリンエンジン＋モーターのハイブリッドです。パワフルな2.4LガソリンターボエンジンはヴェルファイアZ Premierだけ（アルファードは2.5L過給無しエンジンを設定）の設定でターボエンジンのスペックは最高出力205 kW (279 PS)で、最大トルクが430 N・m (43.8 kgf・m)とスポーティカー並みにパワフルです。

2.5Lガソリンエンジン＋モーターのハイブリッドは エンジンの最高出力が140 kW (190 PS)で最大トルクが236 N・m (24.1 kgf・m)。これに最高出力134 kW（182 PS）、 最大トルク 270N・m（27.5kgf・m）のフロントモーターと、4WDの場合は最高出力40 kW（54 PS）、 最大トルク 121N・m（12.3kgf・m）のリアモーターの組み合わせ、システム最高出力は184kw（250ps）です。こちらも相当にパワフルですので、ぶ厚いトルクをいかした余裕ある走りが味わえるはずです。

WLTCモード燃費はターボエンジンが10.3㎞/Lで、ハイブリッドは17.5㎞/L（2WD）です。ハイブリッドはさすがに燃費性能が高く経済性にも優れています。

新型ヴェルファイアは、その個性的なデザインや豪華な装備が先代よりも魅力的だと市場ではかなり高く評価されています。そのせいか販売も絶好調で、いまから注文しても納車は来年（2024年）夏以降となってしまうとのこと。すでに争奪戦になっているようです。

特にヴェルファイアZ Premierは、高額とはいえ最上級グレードのExecutive Loungeに比べれば約200万円も安く、それでいてスペックや装備は上級グレード相当なのですから新型ヴェルファイアの購入を検討されている方も、Z Premierを狙っている方が多いようです。

パワーユニットも兄弟車でヴェルファイアだけに搭載されているパワフルなガソリンターボが選べるのはZ Premierだけですし、今後ミドルグレードやエントリーグレードが追加されたとしても、Z Premierの人気は衰えることはないのではないでしょうか。とても魅力的なグレードといっていいでしょう。