プリウスGグレードの特徴

新型プリウスはグレード構成が比較的シンプルで、PHEVのZグレードが最上級グレードという位置づけで、その下にハイブリッドのZグレード、中間グレードのGグレード、そしてKINTO専用のUグレードが設定されています。ちなみにこの下にビジネス専用のXグレードというのがあるのですがこちらは主に法人向けなので別扱いです。

車両価格はPHEVのZグレードが4,600,000円。ハイブリッドのZグレードは2WDが3,700,000円で4WD（E-Four）が39,200,000円。そしてGグレードは2WDが3,200,000円で4WD（E-Four）が34,200,000円となっています。

UグレードはKINTO専用車なので車両価格は公表されていませんが実質は320万円〜370万円ほどとなるようです。

新型プリウスは先代モデルと比べてそのエクステリアがガラッと変わっています。プリウスらしい「モノフォルムシルエット」を引き継いでいますが、全高を40mm下げてフロントウィンドウを従来以上に寝かせており、まるで5ドアクーペのような流麗なスタイルに進化しています。ボディサイズは全長4,600㎜×全幅1,780㎜×全高1,430㎜で、ホイールベースは2,750㎜と先代に比べて全長で25㎜長く、車幅は20㎜ワイドにそして車高は40㎜低くなっています。

ワイドアンドローなスタイルは非常にスポーティでスタイリッシュ。どちらかというとクリーンで真面目なイメージの強かったプリウスですが、新型では大きなイメージチェンジを図り、シンプルに格好よくなっています。このイメージチェンジは世界中で大いに評価されているようで、その人気はしばらく収まりそうもありません。

新型プリウスのインテリアで注目すべき点は、初代プリウスから採用されていたセンターメーターが廃止されたことでしょう。メーターパネルは運転席正面に移動しメーターパネルはその名の通り板（パネル）状に変わっています。まるでタブレットPCのようで運転に集中しやすいコックピット感が強まりました。プリウスらしいとても先進的なインテリアといえるでしょう。

車内のスペースは車体が大きくなっていますが広さ的には先代と同等レベルです。車高が低くなったため多少窮屈感はあります。しかし、座面もその分低くなっているので頭上の解放感は十分でしょう。

リアシートも先代と同等のスペースが確保されていますが、ドアの開口部も狭くなり乗降性は少し悪くなっています。この辺はスタイルを重視した弊害かもしれません。ただし、快適性は決して悪くはありません。ロングドライブでもストレスはないはずです。

ラゲッジスペースは荷室の床面を最大限下げることで、スペースが確保されておりGグレードの荷室容量は410Lとなっています。先代プリウスは502Ｌだったので比べると結構狭くなっています。車体サイズの割にはそれほど余裕があるとはいえません。

新型プリウスはどのグレードも装備は充実しています。全グレードがBi-Beam LEDヘッドライト＋LEDターンランプ＋LEDクリアランスランプ＋LEDデイライトが標準装備されるほかGグレードには衝突被害軽減ブレーキや運転支援機能、サイド＆カーテンエアバッグなどが標準装着となっています。また、リヤスポイラーなども標準装備です。

Gグレードは2Lガソリンエンジン+モーターの新型ハイブリッドですが、これはZグレードと同じです。そして安全性を高めるパーキングサポートブレーキ、前席シートヒーター、後席センターアームレストのほかホイールは切削光輝＋ダークグレーメタリックの19インチの大径タイプでシート地も上級ファブリックとなっています。

フロントロアグリル、リアバンパーロア、センターピラーガーニッシュ、ホイールアーチモールディングはブラック塗装で、Zは艶ありブラック塗装と差別化されていますが十分高い質感となっています。

予防安全パッケージの「Toyota Safety Sense」は全グレードに標準装備で、パーキングサポートブレーキ（前後方静止物）、ブラインドスポットモニター（BSM）＋安心降車アシスト（SEA）＋後方車両接近告知＋周辺車両接近時サポート（通報提案機能）＋後方車両への接近警報＋セカンダリーコリジョンブレーキ（停車中衝突対応）といった装備がGグレードに標準装着されています。

プリウスGグレードのパワーユニットは2Lガソリンエンジン+モーターの新型ハイブリッドです。スペックはエンジンの最高出力が112kW（152 PS）で最大トルクは188N・m（19.2kgf・m）。これに組み合わせるモーターの最高出力は83 kW（113 PS）で、最大トルクが206 N・m（21.0 kgf・m）です。これらを合わせたシステム出力は196PSとスポーツカー並みのハイパワーとなっています。プリウスとは思えないほどスポーティな走りが存分に味わえます。

Gグレードの気になるWLTCモード燃費は2WDが28.6㎞/Lで4WD（E-Four）が26.7㎞/Lです。エンジンの排気量が2Lに拡大していることもあって先代モデル（1.8L）と比べると数値的にはわずかに低下しています。ただ、その差はわずかであり、また動力性能が大きく向上していることを考えれば、この数値は十分納得できるレベルでしょう。

新型プリウスのミドルグレードであるGグレードは、上級グレードと変わらないエクステリアデザインや内装、快適装備など持ちながら価格的にはお得感がかじられます。ただ、予防安全装備などは上級のZグレードにしか標準装備されないものなどもあり、オプションを追加してもZグレード相当にするのは難しいので十分吟味する必要がありそうです。

新型プリウスのGグレードは2WDモデルなら320万円なので、最上級グレードのZとの価格差は50万円ほど。その装備内容の差を考えると、どちらを選ぶべきなのかはなかなか悩ましい問題かもしれません。