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- カローラツーリングとカローラフィールダーの違いとは
トヨタのラインナップに現在設定されているステーションワゴンは2台あります。それが「カローラツーリング」と「カローラフィールダー」です。カローラをベースとしたステーションワゴンという意味ではこの両車おなじといえます。
また、大きさ的にも「カローラツーリング」のほうが少し大きいとはいえクラスとしては変わりません。では、なぜ同じようなステーションワゴンをトヨタは併売しているのでしょう。何か理由があるのでしょうか。また、この両車明確な違いや、あえて併売するような特徴などがあるのでしょうか。調べてみました。
カローラツーリングの特徴
カローラツーリングは2019年9月17日に投入されたE210系現行型カローラをベースとしたステーションワゴンです。カローラながら全幅1,745mmというワイドボディの3ナンバーサイズで、車高も低くワイド&ローのスポーティなフォルムが大きな特徴となっています。
パワーユニットは直列4気筒1.8Lガソリンエンジンとハイブリッドでしたが、2022年のマイナーチェンジでパワーユニットのラインナップが刷新。ガソリンエンジンには直列3気筒1.5Lが加わりハイブリッドは電動モジュールを刷新した新型に変更となっています。
高級感あるスタイリングが大きな特徴ですが、インテリアのデザインも上質で、スポーティな仕立てとなっており、ステーションワゴンながら実用性よりも趣味性を重視した作りとなっています。また、国内向けのトヨタ車では初となるディスプレイオーディオが全車標準装備されたということは、発売当初大きな話題となりました。
カローラフィールダーの特徴
現行型カローラフィールダーは、2012年発売のE160系カローラをベースとしたステーションワゴンです。カローラツーリングのいわば先代モデルにあたります。しかし、現在もカローラツーリングと共に併売されている現行モデルであり、新車で購入が可能です。
カローラツーリングとの最大の違いはボディサイズです。カローラフィールダーは全幅1,695mmの5ナンバーサイズで全長も95㎜ほどカローラツーリングよりも短く、逆に全高は15㎜ほど高くなっているなどよりコンパクトで実用的なステーションワゴンとして仕立てられています。
デザインはシンプルでカローラツーリングと比べると正直地味です。特に全幅を5ナンバーに抑えるためサイドが平面的で垂直に切り立っており腰高に見えてしまいます。しかし、その分荷室などはスクエアで非常に使いやすく積載性では新型にあたるカローラツーリングよりも優れています。そのため、ライトバン的な使い方にも適しています。
そういったことから法人用の社用車などの用途ではいまだ高い需要があり、カローラシリーズが新型にモデルチェンジしたのにもかかわらず、旧型であるカローラフィールダーがラインナップに残されそういった需要にこたえているというわけです。つまりカローラツーリングは法人需要にはあまりマッチしていないというととることもできます。
カローラツーリングとカローラフィールダーの違い
カローラツーリングとカローラフィールダーの違いを細かく比べてみましょう。まずはナンバーです。前述したように旧型にあたるカローラフィールダーが全幅1695㎜という5ナンバーのナローボディなのに対して、カローラツーリングは1745㎜のワイドボディで3ナンバーサイズです。
そのため見た目でカローラツーリングはワイドでスタイリッシュなイメージですが、カローラフィールダーはどこか窮屈感があり、ライトバン的にも見えてしまいます。
車両価格の違い
それぞれの車両価格ですが、以下になります。
●カローラツーリング
2,070,000円~3,048,000円
●カローラフィールダー
1,758,400円~2,330,400円
このようにカローラツーリングのほうが大幅に高価です。これはカローラフィールダーが実用グレードを残しして上級グレードをモデルチェンジのタイミングでラインナップから外した(上級グレードの変わりがカローラツーリング)ということが大きな理由と考えられます。
しかし、それ以外にもカローラツーリングが従来のカローラのステーションワゴンという位置づけから、より上級かつ高級でスポーティなステーションワゴンという位置づけに変わったということもあるのでしょう。
ボディサイズの違い
カローラはカテゴリー的にはフォルクスワーゲンゴルフなどと同じいわゆる「Cセグメント」で、カローラツーリングもカローラフィールダーも同じCセグメントのステーションワゴンという意味では変わりません。しかし、ボディサイズの数値を比べてみるとカローラツーリングのほうが全体的に大きくなっています。そのサイズを比べてみるとこうなります。
●カローラツーリングボディサイズ
全長4,495mm×全幅1,745mm×全高1,460mm
ホイールベース:2,640mm
●カローラフィールダーボディサイズ
全長4,400mm×全幅1,695mm×全高1,475mm
ホイールベース:2,600mm
このようにカローラツーリングのほうが、一回りサイズは大きくなっていますが、Cセグメントのコンパクトなステーションワゴンということは変わらずそこまでの違いはありません。
インテリア、居住空間
インテリアを比べてみるとやはり新型のカローラツーリングのほうが高級感もありスタイリッシュです。ドライバーズシートに座ってみると、囲まれ感もありスポーティな印象があります。オートエアコンや、7インチディスプレイオーディオが標準装備となっており、今どきなら必須のUSB充電端子も装備されています。収納スペースも多彩で実用面でも優秀です。
カローラフィールダーは、比べてしまうとやはり地味な印象があります。インパネ回りはプラスチック丸出しで汚れても気にならないというメリットはありますがやはりライトバン的なチープな感じはぬぐえません。しかし収納スペースは充実しており、使い勝手も良く実用ワゴンとしてみればとても優れた内装といえるでしょう。
逆に居住空間の余裕という意味では、カローラフィールダーのほうが広く感じます。寸法を比べてみるとこうなります。
●カローツーリング室内寸法
室内長1795㎜×室内幅1510㎜×室内高1160㎜
●カローフィールダー室内寸法
室内長1945㎜×室内幅1430㎜×室内高1200㎜
幅こそカローラツーリングが広いですが、長さと高さは明らかにカローラフィールダーのほうが大きくなっています。実用的なステーションワゴンとして使用するのならカローラフィールダーのほうが適しているといえるかもしれません。
ステーションワゴンでは重要なのは荷室ですが、容量ではカローラツーリングが800Lなのに対してカローラフィールダーは872Lと、ボディがスクエア形状に近いカローラフィールダーのほうが大きくなっています。
天地方向の余裕でもカローラフィールダーのほうがあります。ライトバン的に荷物をたっぷり積みたいというならカローラフィールダーのほうが適していますが、カローラツーリングでも十分大きいので実用性では問題ないでしょう。また、カローラツーリングはホイールハウスの張り出しが小さいので、荷物を積み下ろししやすく使い勝手は悪くありません。
後席に関してですが、双方を同時に乗り比べたことがありますがカローラツーリングはドアの開口部が狭く、ボディサイドが傾斜しているためルーフ部分の左右幅が狭く非常に窮屈感があります。また足元も広くはありません。これはデザインが重視されているからだと思われます。そのため正直あまり快適ではありませんでした。
対してカローラフィールダーはボディサイドが絞り込まれていないため数値以上に室内空間に広々感があり、ドアの開口部も広く乗り込みやすいうえ足元スペースにも余裕があります。シートこそ平板ですが、後席の快適性という意味ではカローラフィールダーのほうが少し優れているという印象があります。
燃費
それぞれの燃費は以下です。
●カローラツーリング
ハイブリッド車Gグレード/WLTCモード燃費29.3㎞/L
ガソリン車Gグレード/WLTCモード燃費19.0㎞/L
●カローラフィールダー
ハイブリッド車EXグレード/WLTCモード燃費27.8㎞/L
ガソリン車EXグレード/WLTCモード燃費19.8㎞/L
ハイブリッドではカローラツーリングのほうが優秀ですが、ガソリン車ではカローラフィールダーのほうが少し良くなっています。ただし、新型であるカローラツーリングは車体が大きくなり車重も200kgほど重くなっています、それなのにもかかわらずこの高燃費なので、燃費性能的にはやはり新型のカローラツーリングのほうが優秀といえるでしょう。
装備
装備面を比べてみると、やはり新型であり、かつより高級な仕様であるカローラツーリングのほうが充実しています。カローラツーリングはW×BグレードとGグレードにディスプレイオーディオが標準装備ですが、カローラフィールダーは全車オーディオレスです。
またエアコンもカローラツーリングは全車オートエアコンですがカローラフィールダーはガソリン車がマニュアルエアコンとなっています。また、安全装備に関してですが、ともに次世代トヨタセーフティセンスを採用していますがカローラツーリングは単眼カメラ+ミリ波レーダー方式で、昼夜間歩行者自転車にも対応した衝突回避支援型プリクラッシュセーフティを備え、車線逸脱時にはステアリング制御も加わります。
さらに前車追従型のレーダークルーズコントロールも装備します。また、パーキングブレーキサポートがW×BグレードとGグレードに標準装備となっていて、ブラインドスポットモニターもオプション設定されています。
対してカローラフィールダーは、同じくトヨタセーフティセンスを採用していますが単眼カメラ+レーザーレーダー方式で、カローラツーリングよりもスペック的に劣っています。また、歩行者対応は昼のみの衝突回避支援型プリクラッシュセーフティで、車線逸脱警報のみでステアリング制御はありません。さらにクルーズコントロールは装備されていません。さらに、ブラインドスポットモニターのオプション設定もありません。
装備の充実度という意味では、やはり新型であるカローラツーリングのほうが優れていますが、カローラフィールダーでも必要かつ十分な装備が備わりっているといえます。価格面の差を考えればこの差は妥当といえるかもしれません。
カローラツーリングがおすすめな人
ワイド&ローのスタイリッシュなエクステリアデザインに充実した装備、豪華で上質な内装など、カローラとは思えないほど高級感あるカローラツーリングは、ヨーロッパ車的なステーションワゴンが欲しいという方にはピッタリの一台といえるでしょう。内装の作りも凝っていてドライバーズシートに座るとまるで高級車に乗っているような気分を味わえます。所有欲もきっと満足させてくれるはずです。
カローラフィールダーと比べると居住性という意味では決して余裕はありませんが、実用性は十分で荷室も使いやすいといえます。それに走行性能も高く、ハイブリッドなら燃費も優秀。3ナンバーとは言え比較的コンパクトですから取り回しも良いですし、4人家族で使用するなど多人数で乗る機会があまりないのであれば、マイカーして使うのにもピッタリではないでしょうか。
まとめ
カローラツーリングとカローラフィールダーを比べてみると、同じカローラベースのステーションワゴンとはいえばかなり違った性格であることがわかりました。
カローラフィールダーは実用的で質実剛健な作りで、仕事にも遊びにも使える優れたワゴンという印象ですが、カローラツーリングはもっとパーソナルな高級ステーションワゴンという性格で装備の充実度でも、安全性能でも圧倒的に優れています。そもそも旧型カローラフィールダーに対して新型カローラツーリングですからスペック的に差があるのは当然のことでしょう。
今や希少な存在ともいえるステーションワゴンの2車。どちらもそれぞれ魅力があるのは間違いありません。SUVやミニバンもいいけれど、コンパクトで使い勝手のステーションワゴンがやっぱり欲しい! という方にはどちらもおすすめできる車といえます。 ただ、前述のように同じカローラベースでのステーションワゴンでありながら明確な違いもあります。購入を検討しているのであればこのどちらが自分の使い方にマッチしているのかしっかり見極めたうえで、あなたにベストな一台を是非選んでみてください。
この記事の執筆者
小嶋 啓意
クルカ事業部 統括マネージャー
新卒から自動車業界一筋15年のキャリアがあります! 大学卒業後、某大手国内ディーラーの営業職を経て、クルカに入社しました。 自動車業界のキャリアの長さは社内屈指。「車といえば、小嶋さん」と社内で言われるレベルの車好き。車は三度の飯より大好きです! ディーラーや現職の営業経験を生かした車選びのご提案が得意です。長年の経験から、お客様にとって最適な1台をご用意いたします。 営業時代は商品のスペックを理解し、お客様に提案することをモットーにしましたので、自動車のスペックに精通しています。 弊社Youtubeチャンネルでは、車選びの知識やクルカで取り扱っている車種の解説もしています。 ぜひ車選びの参考にしてみてください! →YouTubeクルカ公式チャンネル
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