カローラツーリングW×B (ダブルバイビー)の特徴

「カローラツーリング」はカローラのステーションワゴンです。先代までカローラフィールダー（一部グレードは現在も販売中）という名前でしたが、カローラシリーズのフルモデルチェンジの際にステーションワゴンは「カローラツーリング」という名前に変更されています。

「カローラツーリング」は、カローラ（セダン）やハッチバックのカローラスポーツと同じく、TNGA（Toyota New Global Architecture）に基づいたグローバル共通プラットフォームを採用した車種バリエーションの一つです。そしてカローラシリーズの中でもSUVのカローラクロスに次ぐ人気となっているのが「カローラツーリング」です。

新型カローラはセダンもスポーツも含め全車3ナンバーサイズとなり、ボディが拡大したことが大きな話題となりましたが、「カローラツーリング」は国内専用モデルとしたことで、ステーションワゴンとしては十分コンパクトなサイズをキープしています。

全長4,495㎜×全幅1,745㎜×全高1,460㎜と、扱いやすいサイズであり、室内スペースも余裕があります。大人5人が座ってもゴルフバッグ4個を積載可能な広いラゲッジスペースが備えされています。

そして、「カローラ ツーリング W×B(ダブルバイビー)」は、最上級グレードという位置づけです。W×Bグレードには、1.8Lガソリンエンジンモデルと、ハイブリッドモデル、さらに6MTのみの設定ですが1.2Lターボモデルが用意されています。ハイブリッドのみ4WDが選べますが他は2WDのみとなっています。

価格は1.2Lターボが2,473,900円で、1.8Lガソリンエンジンが2,365,000円。そしてハイブリッドは2WDが2,799,500円で4WD(E-FOUR)が2,997,500円となっています。

カローラツーリングはステーションワゴンですが、そのエクステリアは先代のカローラフィールダーのような、社用車にも使える実用的なワゴンというイメージは全くありません。車高の低さが強調されており非常にスポーティです。

ルーフラインは緩やかなカーブを描いてリアに向けて下がっていき、ステーションワゴンというよりは、ヨーロッパ車のシューティングブレイクのようで躍動感があって実にスタイリッシュです。

ただし、スタイルを重視したためか荷室のスペースに関しては先代のカローラ フィールダーよりも少し狭くなっています。それでも通常時で392L、最大で802Lも確保されているので実用性は十分といえるでしょう。

フロント周りのデザインはセダンと基本的に共通です。ただし、W×Bグレードは最上級グレードということでディテールは高級感のある仕様となっています。

例えば、フロントのロアグリルのフレーム部はメッキ＋ブラックのツヤ有り塗装（他のグレードは塗装仕様）で、メッシュ部分もブラックのツヤ有り塗装です。また、LEDフロントフォグランプが標準装備となっているのもW×Bグレードのみとなっています。

さらに、ステーションらしさの演出に欠かせないルーフレールはW×Bグレードでもオプション設定ですが、上質なグレーメタリック塗装なのはW×Bグレードのみ（他はシルバーメタリック塗装）となっています。

ホイールは17インチのアルミホイールが標準です。グレーメタリック塗装でセンターオーナメント付きがW×Bグレードの標準仕様となっています。

エクステリア同様インテリアもスポーティなデザインとなっています。しかし、これはカローラツーリングだけのものではなく、カローラシリーズ共通のデザインです。

ダッシュボードの上面はフラットとなっており視界は悪くありません。しかし中央には大型の液晶モニターがそびえたっています。モニターの視認性は抜群ですが、ちょっと目立ちすぎている気もします。

液晶モニターのサイズは7インチで、ディスプレイオーディオが標準装備です。これはすべてのグレードに共通の仕様。オプション（28,600円）で9インチのディスプレイオーディオにアップグレードも可能です。

メーター周りのパネルは、合成皮革巻きとなっており、しっとりした感触がとても上質。細かなステッチが施されているという点にも高級感が感じられます。

シートは落ち着いたブラックでW×Bグレードはシート表皮が合成皮革＋レザテックが標準。他のグレードとは異なる素材を採用した専用デザインとなっており、こちらも高級感満点です。ドアアームレストやドアトリムショルダーなども合成皮革巻きを採用しておりカローラという名前ではありますが、もはや高級スポーツワゴンといってもいいかもしれません。

W×Bグレードを含めカローラツーリングの装備は標準でも充実した内容となっています。予防安全機能の「Toyota Safety Sense」なども標準装備です。全車速追従機能付のレーダークルーズコントロールもエントリーグレードを除いて全車標準となっています。

W×Bグレードのメーターは、高級感のあるオプティトロンメーター＋7.0インチTFTカラーマルチインフォメーションディスプレイ（スピードメーター表示）となっており、鮮やかな発色で視認性も抜群。

さらにW×Bグレードでは、Bi-Beam LEDヘッドランプ＋LEDターンランプ＋LEDクリアランスランプ&LEDデイライトが標準装備となるほか、パーキングサポートブレーキ（前後方静止物）も標準となっています。

パワーユニットは1.8Lガソリンエンジン＋モーターのハイブリッドと1.8Lガソリンエンジン、そして1.2Lガソリンターボの3タイプが用意されています。

ハイブリッドシステムはプリウスと同じTHS IIで、72kW（98ps）/5200rpmのパワーと、142Nm（14.5kg-m）/3600rpmの最大トルクのエンジンに53kW/163Nm（72ps/16.6kg-m）のモーターを組み合わせており、余裕ある動力性能を発揮します。

1.8Lガソリンエンジンのパワーは103kW（140ps）/6200rpmで最大トルクは170Nm（17.3kg-m）/3900rpm。そして1.2Lターボはパワーが85kW（116ps）/5200～5600rpmで最大トルクは185Nm（18.9kg-m）/1500～4000rpm。どのパワーユニットも動力性能的には不足のないものです。

ただ1.2Lターボモデルは、せっかく上級グレードのW×Bのみの設定で6MT専用モデル。できればよりスポーティな走りが味わえるくらいのパワーが欲しいところ。そうすればスポーツワゴン的な位置づけとなりより魅力的になったのではないかと思います。

新型カローラファミリーの中でもカローラクロスに次ぐ人気となっているカローラツーリングは、そのシューティングブレイク的なスタイリッシュなデザインと、高級感あるインテリア、そして、優れた燃費や実用性の高さもあって幅広い層から支持を集めています。

コンパクトな国産ステーションワゴンの選択肢が減っていく中、ステーションワゴンにこだわりを持つ方にとっては、カローラツーリングは最後の砦。そんな方にこそぜひ注目してほしいのが「カローラツーリングW×B」です。

スポーティさだけではなく、高級感や上質感も兼ね備えた非常に魅力的な一台であり、価格も最も高価な仕様でも300万円切り。これは「カローラツーリングW×B」の装備内容やスペックを考えるとバーゲンプライスといってもいえるものです。

そのスタイリッシュなデザインに惹かれたという方も、またステーションワゴンならではの実用性に魅力を感じるというかたも、「カローラツーリングW×B」なら間違いなく満足できる一台になってくれるはずです。