フルタイム4WDとパートタイム4WDの違いとは|新車のカーリースはクルカ
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更新日 2023.01.12(公開日 2023.1.12)

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フルタイム4WDとパートタイム4WDの違いとは

雨の日や雪道のドライブでも、優れた駆動力で安定した走りが可能とされているのが4WD、いわゆる四輪駆動です。

4WDは、エンジンからの動力を4つのタイヤに伝えることで、滑りやすい路面でも、優れた走破性を発揮するとされており、軽自動車から本格的なオフロード4WD車まで幅広く採用されています。

でも、実はこの4WDですが、実はいろいろなタイプがあるというのは知っているでしょうか? 大まかに分けると、4WDには「フルタイム4WD」「パートタイム4WD」の2つがあるのですが、その2つの違いはいったいなんなのでしょう。

そこで今回はそんな「フルタイム4WD」「パートタイム4WD」の違いや、他の4WDシステムについてなどを詳しく解説します。

フルタイム4WDとは

フルタイム4WDとは

4WDとはフォー・ホイール・ドライブ(four-wheel drive)の略語で、エンジンから発生した駆動力を4つのタイヤに伝える四輪駆動車のことを指します。スバルなどはAWDと呼んでいますが、こちらはオール・ホイール・ドライブ(all-wheel drive)の略で、全てのタイヤに動力を伝えるという意味。

つまり乗用車であれば4輪が一般的(大型トラックや、特殊車両には6輪や8輪もあるので、AWD=4WDとはなりません)ですのでAWD=4WDとほぼ同義と考えて構いません。

4WDにはいくつかの種類があるのですが、その一つが「フルタイム4WD」です。フルタイム4WDといっても、メーカーによって様々な解釈があるのですが、基本は、走行している間は常に4輪に動力を伝えているシステムのことを指します。

フルタイム4WDの仕組み

「フルタイム4WD」常に前輪と後輪の四輪すべてにエンジンの動力を伝えていますが、エンジンと前後輪の間にはセンターデフ(もしくは、電子制御カップリングなど)というメカニズムを備えています。

このセンターデフが、カーブ時などに生まれる前後輪の回転数の差を調整して、スムーズに走行できるように駆動力を前後に配分しています。

センターデフがないと急なカーブなどで、前輪に角度を与えた際に、前輪と後輪に回転数の差が発生し、回転数が低くなっている前輪を、後輪が無理やり押す形となります。

そうなるとリヤタイヤが空転、もしくは前輪にブレーキをかけるような動き(タイトコーナーブレーキング減少)が発生しまいスムーズな走行ができません。

しかしセンターデフがあれば、そのような前後輪の回転数差を調整してくれるので、スムーズにコーナーを曲がることが可能となります。

フルタイム4WDのメリット

最新の「フルタイム4WD」の多くは電子制御化されていて、路面状況や走行状況にあわせて、前後のタイヤへ配分する駆動力を細かく制御して、優れた駆動力を発揮することが可能となっています。

そのため雨道や雪道など滑りやすい路面トラクションを確実に伝えることができ、安定した走りを実現してくれます。

フルタイム4WDのデメリット

「フルタイム4WD」常に駆動力を4輪に配分しているので、走行抵抗やフリクションロスも多く、燃費性能では不利になるとされています。

またセンターデフなどのメカニズムが必要となるため、車重が増えてしまうほか、コスト的にも高くなってしまいます。

フルタイム4WDが導入されている自動車

フルタイム4WDが導入されている自動車
出典:https://toyota.jp/landcruiserprado/

フルタイム4WDは非常に優れた4WDシステムですが、複雑なメカニズムを必要とするため、現在は採用する車もあまり多くありません。

トヨタ・ランドクルーザー300やトヨタ・ランドクルーザープラドといった大型SUVや、トヨタ・ハイエース、スバル・アウトバック、スバル・フォレスター、スバル・レヴォーグ、スバル・インプレッサなどが採用するのみです。

いわゆるクロスオーバーSUVのほとんどは、「フルタイム4WD」ではなく、後述する「スタンバイ式4WD」を採用しています。

パートタイム4WDとは

パートタイム4WDとは
出典:https://toyota.jp/hilux/

「パートタイム4WD」「フルタイム4WD」とは違い、通常は2WDで走行しており、必要なときだけドライバーが手動で切り替えることで4WDになるというシステムです。二輪駆動と四輪駆動を任意で選べるから、パートタイムという名前が付いています。

ジープなど本格的なオフロード4WD車に採用されてきたシンプルな4WDシステムで、頑丈かつセンターデフがないため、比較的軽量という特徴があります。また、未舗装など本格的なオフロード環境では抜群のトラクション性能を発揮してくれます。

パートタイム4WDの仕組み

「パートタイム4WD」では、レバーやスイッチをドライバーが手動で操作することでトランスファーという装置が作動して、前輪軸と後輪軸がプロペラシャフトという軸で結ばれ二輪駆動から四輪駆動に切り替わります。

「フルタイム4WD」とは違いセンターデフがない「直結状態」になるので。4WDに切り替えると、前後輪はシンプルに同じ回転数で回ることになります。

パートタイム4WDのメリット

「パートタイム4WD」のメリットは、4WDに切り替えると、4輪すべてに均等に最大限の駆動力が伝えられることです。そのため本格的なオフロードや雪道などといった、滑りやすい路面や悪路の走破性に非常に優れています。

また「フルタイム4WD」と違い2WDと4WDを任意で切り替えることができるので、舗装路を走行する際は2WDにしておけば、走行抵抗が減り、燃費が良くなるというのもメリットいえるでしょう。

パートタイム4WDのデメリット

一方で「パートタイム4WD」は、「フルタイム4WD」のような前輪と後輪の回転数の差を吸収してくれるセンターデフが搭載されていません。4WDに切り替えると前後輪が直結状態となり前後輪常に同じ回転数で動作することになります。

そのため、摩擦の大きな舗装路の急カーブなどで、ステアリングを大きく切ると、後輪が回転数の少ない前輪を押し出す形となり、ブレーキがかかったようなぎくしゃくした動き、タイトコーナーブレーキング現象をおこしてしまいます。

通常乾いた舗装路などを走行する場合は、2WDに切り替えて走行することになります。そうしないと、前述したタイトコーナーブレーキング現象が起きるほか、4WDシステムに大きな負担がかかります。そういった手動での切り替えが面倒だったり、舗装路を4WDで走るのにはあまり向いていないというのがデメリットといえるでしょう。

パートタイム4WDが導入されている自動車

パートタイム4WDが導入されている自動車
出典:https://www.suzuki.co.jp/car/jimny/

2WDと4WDを手動で切り替えなくてはならないなど「パートタイム4WD」は、扱いに少し気を付けないといけないこともあるため、最近は採用するクルマが減っています。

国産の乗用車では、スズキ・ジムニーやトヨタ・ハイラックス、日産・キャラバンなどといった一部の車のみが採用するのみとなっています。

フルタイム4WDとパートタイム4WD以外の4WD

ここまで代表的な4WDシステムである「フルタイム4WD」「パートタイム4WD」について説明してきましたが、この2つ以外にも、多くの車に採用されている4WDシステムがあります。それが「スタンバイ式4WD」です。

軽自動車やコンパクトカーなど比較的車両価格の安いクルマの多くには、このスタンバイ式(オンデマンド式、トルクオンデマンド型)4WDが採用されています。

スタンバイ式4WDは、簡単に説明すると前後輪をつなぐプロペラシャフトの間に油圧式カップリングを設置した、センターデフを持たない4WDです。

通常の直進走行ではほぼ2WDで走りますが、滑りやすい路面の走行などで、前輪が滑って前輪と後輪に回転数差が発生した際にだけ、駆動力が後輪にも伝えられるというものです。

通常は2WDで走行しているため、4WDでも駆動性能はあまり高くないとされていますが、軽量で安価に4WD化が可能なので軽自動車やコンパクトカー、ミニバンなどの多くのFFベース車はこのスタンバイ式4WDを採用しています。

これ以外にも、乗用車用4WDとしては、ハイブリッドカーなどに採用されている「モーター式4WD」というものもあります。これは、メインとなる駆動輪以外の駆動 (FFなら後輪)を、補助的にモーターで補って四輪駆動としているシステムです。

最大の特徴は「フルタイム4WD」「パートタイム4WD」「スタンバイ式4WD」と違って、前後輪を結ぶプロペラシャフトが不要であることです。そのため導入のためのコストが安く済み、またメカニズムがシンプルなため軽量ということです。

さらに、モーターによって駆動力を制御できるので緻密な駆動力のコントロールも可能です。ハイブリッドカーやプラグインハイブリッドカーなどはこの「モーター式4WD」が主流です。

まとめ

まとめ

4WDといっても、その仕組みの違いによってそれぞれ特徴があるということがお分かりいただけたでしょうか。「フルタイム4WD」「パートタイム4WD」にはそれぞれにメリットデメリットがあり、すべての4WD車が必ずしも悪路や雪道の走破性を得意としているわけではありません。

自分の車が4WDであることが知っていても、それがどちらなのか、キチンと理解されていないと、いざというときに思わぬ失敗をしてしまうかもしれません。あらためて説明書などを読んでしっかり確認しておきましょう。 また、雪道走行でチェーンを装着するとなった際にも、4WD車の場合、前輪に装着するべきなのか、後輪に装着するべきなのかこちらも「フルタイム4WD」「パートタイム4WD」なのかで変わってきますので、こちらもしっかり事前に確認しておきましょう。わからない場合はディーラーなどに問い合わせてみてください。

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この記事の執筆者

坂場 遼

クルカの坂場です。 大学卒業後、新卒でクルカに入社しました。 クルカでは営業としてお客様へ新車の販売、サポートを担当しております。小さい頃から車が好きで、現在でも街中で珍しい車が走っていると目で追いかけてしまいます。 好きだけではなく様々な知識を吸収し、お客様に満足いただけるカーライフをご提供いたします。 クルカのコラムでは、分かりやすさを重視しお客様目線で監修しております。

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