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更新日 2023.05.26(公開日 2023.1.24)

カーライフ

電気自動車のバッテリーの寿命はどのくらい?

電気自動車のバッテリーの寿命はどのくらい?

電気自動車(BEV)には大容量のバッテリー(電池)が搭載されています。電気自動車のバッテリーには駆動用のバッテリーと補機用のバッテリーの2種類が搭載されていますが、走行に使用されるのは駆動用のバッテリーです。

その電気自動車の駆動用バッテリーにも当然のごとく寿命があります。ではどれくらい使える物なのでしょうか。また、もし寿命を迎えた場合、交換はできるのか? 交換した場合どれくらい費用が掛かるのかご紹介します。

電気自動車のバッテリーの種類

電気自動車のバッテリーの種類

先述の通り、電気自動車に搭載されているバッテリーは2種類あります。それは車を走らせるための駆動用のバッテリーと、ヘッドライトやエアコン、カーナビなど電源となる補機用バッテリーです。

補機用のバッテリーはガソリンエンジン車などにも使われている鉛電池です。パッケージ化されていて、カー用品店などにも売られています。そしてDIYでの交換も比較的簡単です。

電気自動車にとってもより重要なのは駆動用のバッテリーです。こちらがないと走ることができません。そんな電気自動車の駆動用バッテリーには主にリチウムイオンバッテリーが使われています。

エントリークラスのハイブリッドカーなどに使われているニッケル水素バッテリーや、重くて容量の小さな鉛電池、さらに、充電池として古くから多くの電気製品使用されてきたニッカド(ニッケルカドニウム)バッテリーは現在の電気自動車にはほぼ使われていません。

現在の電気自動車の駆動用としてリチウムイオンバッテリーが使われている理由は、メモリー効果がないためです。メモリー効果とは、電力を使い切らないうちに充電してしまうと、徐々にその電池が持つ容量いっぱいまで充電できなくなってしまう特性のことです。ニッカドバッテリーやニッケル水素バッテリーにはそういったメモリー効果があるのです。

また、リチウムイオンバッテリーのエネルギー密度が高いという特徴もあります。エネルギー密度とは一定の重さの電池の中に、どれくらいの電力を蓄えることができるかを示したもの。

リチウムイオンバッテリーは、鉛電池やニッケル水素バッテリーよりもエネルギー密度が高く、電気自動車を走らせるためのバッテリーとしては現在、最も適しているとされているからです。

バッテリーの容量

バッテリーの容量

電気自動車のカタログなどを見ると、「kWh(キロワットアワー)」という単位が出てきます。これが電気自動車のバッテリーの容量を示す単位です。例えば日産の電気自動車「SAKURA/サクラ」のバッテリー容量は20 kWhです。

電力を表す基本の単位は「W(ワット)」です。例えば50W電球なら光らせるのには50W の電力が必要ということになります。この電力「W(ワット)」は、電流(電気の流れる量、Aアンペア)×電圧(電気を流す力、Vボルト)で示されます。

サクラの充電池の容量は20kWhということですので、20kWの消費電力が必要な電気モーターを1時間使い続けることができるということになります。さらに、その半分の10kWのモーターなら2時間使い続けられる電気量があるということになります。

これはサクラが満充電で1時間しか走れないということではなく、走行状況に応じて電気自動車の電気モーターの消費電力は変化するものなのでそれ以上走行することが可能です。

ただ、電力量(バッテリー容量)が大きいほど、長時間走れるのは間違いありません。日産サクラのカタログを確認すると、電費(ガソリンエンジンの燃費にあたるもの)はWLTCモードで124Wh/㎞となっています。単位はkWh(キロワットアワー)ではなくWh(ワットアワー)ですね。つまり1㎞走行するのに124W(0.124kW)の電力が必要ということになります。

バッテリーの寿命の目安

バッテリーの寿命の目安

電気自動車に使われているリチウムイオンバッテリーは、内部で化学変化を起こすことで電気を蓄えています。使用に伴い充放電を繰り返しているとやがて素材が変質してしまうため徐々に蓄電できる容量が減ってしまいます。ようするに満充電にしても使える時間が短くなるのです。

劣化によってそのバッテリーがすぐに使えなくなるわけではありませんが、走行できる距離が明らかに短くなり、実用的に使用するのが難しくなればそのバッテリーは寿命と考えていいでしょう。

EVバッテリーの寿命ですが、日産サクラの場合はバッテリー容量保証が「8年160,000km」となっています。つまりだいたいこれくらいが電気自動車のバッテリーの寿命の目安になるでしょう。この保証期間中に想定外のバッテリー劣化が起きた場合は、バッテリーの交換を無償で行ってもらえます。

バッテリーの交換はできる?

バッテリーの交換はできる?

スマートフォンなどではバッテリーが劣化してしまった場合、バッテリーを交換するということも少なくありません。もちろんバッテリーが寿命を迎えた時点でスマートフォンごと買い替える人も多いでしょう。

EVの駆動用バッテリーも同じように交換することは可能です。しかし、EVのバッテリーは非常に高額で、交換するにも大掛かりな分解作業が必要です。たとえるならガソリンエンジン車のエンジンを交換するような大掛かりな作業が必要となります。

ガソリンエンジン車もエンジンが故障すれば交換は可能ですが、よほど愛着があるのでない限りそこまでして手間や費用をかける方はまれでしょう。おそらくは買い替えるという選択をする方のほうが多いはずです。電気自動車も同じようにバッテリーが寿命を迎えたら車ごと買い替えるほうが合理的だと思います。

電気自動車は日進月歩で進化していますので、古い電気自動車のバッテリーを交換して使い続けるよりも、最新の電気自動車に乗り替えたほうが電費も上がりますし、安全機能なども進化しているはずなので、乗り換えるほうが賢明です。

ちなみに、日産の電気自動車リーフのケースですが、バッテリーを交換する場合の費用は新品バッテリーでだいたい70万円~90万円(バッテリー容量タイプによって差があり)ほどで、これに4〜5万円程度の工賃がプラスされるとのことです。非常に高額ですね。

そこまでして性能的に最新の電気自動車に劣っている古い電気自動車に乗り続けるべきかはやはり微妙ですね。

バッテリーの劣化を防ぐポイント

バッテリーの劣化を防ぐポイント

できるだけ電気自動車のバッテリーを劣化させないためには、使い方や充電の仕方のコツというものもあります。まずは走り方です。電気自動車のバッテリーは、急激に電気を出し入れすることで劣化が進みます。

そのため一気に電気を使うようなスピードの出しすぎや急加速をするなどの運転方法はNGです。電気自動車は発進加速性能に優れているからといってスピードの出しすぎないようにしましょう。法定速度を守ってスピードは控えめに走るのがベストです。そのほうが安全運転にもつながります。

充電の仕方に関しては、電気自動車で使われているリチウムイオンバッテリーは、満充電で長時間放置すると化学変化が促進され劣化が早く進むという性質があります。かといって空にしてしまうのもよくありません。

そのため、いつも満充電にしておくのではなく、日常的には30~80%程度の充電量で押さえておくのがポイントです。こうすることでバッテリーが長持ちします。

また、バッテリーは高温を嫌いますので、日なたの駐車場に何日も満充電の状態で放置しておくのは避けたほうがいいでしょう。バッテリーの劣化がより早く進んでしまう可能性があります。

他には、リチウムイオンバッテリーへの充電は、高出力で行う急速充電よりも3~6kWといった出力で、ゆっくり行う普通充電の方がバッテリーへの負荷少ないとされています。急速充電ばかりを行うとバッテリーの劣化が進んでしまう可能性があるので、充電を行う際は、急速充電と普通充電をうまく使い分けるようにするといいでしょう。

まとめ

まとめ

電気自動車をうまく付き合うために、バッテリーの管理がとても重要です。ガソリンエンジン車であれば、給油の際には満タンにするという方が多いですが、電気自動車の場合は違います。バッテリーへの満充電を繰り返すとバッテリー劣化が進みやすくなるということは是非覚えておきましょう。

ガソリンエンジン車から電気自動車に乗り替えると、こういった違いに戸惑うこともあるかもしれませんが、電気自動車の特徴に合わせた走り方や、充電方法のポイントをキチンと抑えておけば、ガソリンエンジン車以上に便利で経済的なカーライフが送れるはずです。 そして、今後電気自動車のバッテリー自体もどんどん進化していくはずです。より高性能で低価格なバッテリーが搭載されればさらに航続距離が延び、充電時間も短くなるのでしょう。バッテリーの性能が=電気自動車の性能でもあるので、どのようにバッテリーと付き合っていくかが、これからの電気自動車とのカーライフおける最重要課題といえるかもしれません。

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この記事の執筆者

白幡 魁都

クルカの白幡 魁都です。キャリアは新卒から、自動車業界一筋。新卒は中古販売会社に入社。その後、クルカに中途で入社しました。 カーリースのキャリアは2年以上あり、中古車の市場の知識や買い取り業務の経験は社内で一番知識があります。 リースのご相談のほかに、前職キャリアを活かし、お車の下取りのご相談を承ることも可能です。また中古車販売社の頃は、主に軽自動車を取り扱うことが多く、軽自動車の情報や知識にも自身があります。 これまでのキャリアを活かし、車の乗り換えや買い替えといったコラムの監修にも携わっています。

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