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- 自動車のバッテリーが上がった時の対処方法
車のトラブルの中でも、おそらくもっとも多くのドライバーが経験したことがあると思われるのが「バッテリー上がり」でしょう。ヘッドライトやルームランプの消し忘れ、経年で劣化したバッテリーのせいなど、ささいな油断や不注意で簡単に起き得るトラブルだからです。
では、バッテリーが上がってしまった場合、どうすればいいのかご存じでしょうか。どのように対処するべきなのか、それとも自分では対処せずロードサービスを頼むべきなのか。また自分で対処する場合はどのような方法があるのか。
今回は車に乗っているドライバーであれば、いつかは起き得るトラブルの代表「バッテリー上がり」の正しい対処方法について解説します。
自動車のバッテリーが上がるとどうなる?(症状)
車のバッテリーが上がるとは、何らかの理由でバッテリー(蓄電池)に蓄えられていた電気の放電が進み、蓄電量不足に陥っている状態を指します。
車のバッテリーは、ヘッドライトやブレーキランプ、エアコンやカーナビなどの電子機器に電力を供給しています。またエンジンを始動する「セルモーター」もバッテリーによって動かしています。
バッテリーが上がるとセルモーター動きが弱弱しい動きになり、エンジンを始動することができなります。そのまま繰り返しセルモーターを動かしているとバッテリー内の放電がさらに進み、やがて全く動かなくなります。
「バッテリー上がり」はエンジン車だけの問題ではありません。ハイブリッドカーにも駆動用バッテリーとは別に、補器用バッテリーというものが積まれています。そして、補器用バッテリーが上がると、ハイブリッドシステム自体の起動ができなくなります。
そうなると、駆動用バッテリーの充電量が十分でも、例えガソリンが入っていて、ハイブリッドカーは走らせることができなくなってしまうのです。バッテリーはガソリンエンジン車でもハイブリッドカーでも欠かすことのできないとても重要なものなのです。
バッテリー上がりと似ている現象
エンジンを始動できないからといって必ずしも「バッテリー上がり」とは限りません。別の理由であった場合、その対処の方法が違っていますのでもしエンジンがいつものように始動できなくなってもすぐにバッテリー上がりを疑わずまずは下記のような問題の可能性がないかも考えてみましょう。
ガス欠
最初に確認すべきはガス欠です。当たり前ですが燃料がないとエンジンは動きません。燃料タンクに燃料が十分入っているか確認しましょう。
また、ガス欠が原因ならルームランプや、電装品、セルモーターなどが正常に作動するはずなので、セルモーターが元気に作動しているのにエンジンが始動しないといった場合はまずはガス欠を疑ったほうがいいでしょう。
シフトポジションの不具合
シフトレバーの位置によってもセルモーターが動かなくなることがあります。電源はONになり電装品も正常に動いているのにセルモーターが動かないという場合は、シフトレバーがPのポジションに正しく入っているかチェックしてください。
わずかにずれていることが原因でセルモーターが動かなくなっていることもあります。その場合はブレーキを踏み直し、シフトレバーを正しくPのポジションに切り替えてから、キーをひねるかスタートボタンを押します。原因がシフトポジションの誤りだった場合はそれでエンジンが始動できるはずです。
セルモーターの故障
ガソリンも入っている。またルームランプや電装品も正常に動いている。シフトポジションも正しくPのポジションにある。それなのにセルモーターが回らないという場合は最悪セルモーターそのものが故障している可能性があります。その場合はロードサービスを呼ぶしかありません。
ステアリングロック
ステアリングロックがかかった状態でもエンジンを始動させることができません。ハンドルを左右に回してもロックされていて何かに当たっている感覚がある場合はハンドルロックが解除されていない可能性があります。
エンジンキーを使用するタイプならキーシリンダーが回りませんのでわかりやすいですが、スタートスイッチタイプでは、ボタンは押せてしまいます。エンジンスイッチを押してもまったく反応がない場合は「ステアリングロック」がかかっていないか確認しましょう。
シフトレバーがPポジションなのを確認して、ハンドルを左右に回しキーをひねるかスイッチを押すと、ロックが外れます。ロックがはずれたらエンジンをかけてみましょう。
バッテリーが上がる原因
「バッテリー上がり」は、バッテリー内の蓄電量に対して電装品などの電気の使用量が上回ってしまったことで起こるものです。ようするに電気の使い過ぎです。
エンジンが始動していれば通常バッテリーはオルタネーターによって充電されているのですが、アイドリング程度では十分な充電はできません。
また、渋滞路などの十分エンジンの回転数の上がらない状況でエアコンやオーディオ、カーナビなどを使っていると電気の使用量が蓄電量を上回ってしまうこともあります。
ちょっとしたドライバーのミスや気のゆるみなどでも思ったよりも簡単に上がってしまうこともあります。そういったミスは気を付けていれば防げるものです。主なバッテリー上がりの原因としては以下のようなものがあります。
ライトの消し忘れ
車の電装品の中でも特に電力を消費するのがヘッドライトです。夜間やトンネル走行後、ヘッドライトを消し忘れていませんか。ヘッドライトを点灯したままエンジンを停止し、そのまま車を離れると、バッテリー内の電気はどんどん放電されてしまいます。長時間放置すればいずれバッテリーは上がってしまいます。
半ドア
半ドアも「バッテリー上がり」の原因になります。車のドアは、開いた際にルームランプが点灯する仕組みになっているので、半ドア状態のままだとルームランプは点灯し続けることになります。
ルームランプはヘッドライトほど消費電力が激しくないので新しいバッテリーであれば半日程度点灯させ続けても「バッテリー上がり」は起こりません。しかし、その状態が丸一日~数日続けばバッテリーも上がってしいます。
ルームランプや読書灯の消し忘れ
半ドアではなく手動でルームランプや読書灯を点灯させ、それを消し忘れたという場合も「バッテリー上がり」の原因になります。気を付けましょう。
エアコンなどの電装品の使い過ぎ
消費電力の大きな電装品といえばエアコンもあります。走行中ならバッテリーは充電されているのでエアコンを使用しても「バッテリー上がり」になることはまずありません。
しかし、例えば真夏の帰省時に、豪雨の中渋滞に巻き込まれたなどといった場合、のろのろ運転によって十分な発電がおこなわれないのに、エアコンやヘッドライト、ワイパーやカーナビといった電装品多くの電気使うことになります。そして、消費電力が発電量を上回ってしまえばバッテリーが上がってしまうのです。
極端な例ですが、上記のような明らかに電装品を使い過ぎているシチュエーションでは、エアコンの設定温度を下げ、余計な電装品を使うのを控えるなどして電気の使い過ぎに気を付けてください。
車のちょい乗りが多い
買い物や送り迎えなどのように、車の使い方がちょい乗りばかりの場合も、バッテリーの上がる原因となります。理由は短時間のちょい乗りばかりだと、オルタネーターが十分な発電ができず、バッテリーへの充電が不十分となるからです。そしてバッテリーの消費が発電量を上回ってしまいバッテリーが上がってしまうことになるのです。
できれば月に1~2度は1~2時間以上の走行を行うようにするといいでしょう。オルタネーターによる発電はエンジンの回転数に応じて発電量が上がるため、アイドリングでは十分な発電はできません。ある程度エンジンの回転数が上がるようなシチュエーションでの走行が必要です。
車の使用頻度が少なく自然放電した
自然放電によっても「バッテリー上がり」になることがあります。車は使用していなくても、電装品のメモリーのバックアップやドライレコーダー、セキュリティ装置などの待機電力によって電気が使用されています。
そのため、放っておけば少しずつバッテリーの電気は減っていき、それが長期間となるとやがて「バッテリー上がり」となってしまうこともあるのです。
バッテリーが寿命を迎えた(平均3~4年)
単にバッテリーの寿命も原因の一つです。バッテリーは交換からだいたい3年~4年(それ以上使えるケースもあります)で寿命を迎えるとされています。
前回バッテリー交換してから3年以上経過している場合はいつ「バッテリー上がり」が起きてもおかしくありません。できれば車検のタイミングでバッテリー交換を行うのが間違いありません。
バッテリーが上がるのを未然に防ぐ方法
「バッテリー上がり」はちょっとしたことで起きてしまいますが、そういったトラブルが起きないようにするにはどうしたらいいのでしょう。またバッテリー上がってしまった際の対処はどのようにすればいいのでしょうか。
バッテリー上がりを防ぐ方法
まず車を降りる際はヘッドライトやルームランプをオフにすることを忘れないようにしましょう。また、半ドアにならないようにドアの開閉も確実に行います。
使用電力が増えそうな夏場の渋滞路などではエアコンの使い過ぎを抑え、無駄な電装品の電源をオフにする癖も付けておいたほうがいいでしょう。
また、定期的にバッテリーをチェックし、使用期間が3年を超えるようなら交換を行ってください。普段から気をつけておけば「バッテリー上がり」を予防することは可能です。
バッテリーが上がったときの対処法
気を付けていたのにバッテリーが上がってしまった、という場合はどうすればいいのか。対処方法としては以下の3つがあります。
1.ロードサービスを呼ぶ
確実なのはロードサービスを呼ぶことです。JAFや加入している自動車保険のロードサービスに連絡をして、バッテリーを充電してもらいましょう。
連絡をすれば30分から1時間程度で現地まで駆けつけてくれるはずです。加入している自動車保険のロードサービスなら状況にもよりますが料金もかからないはずです。
2.ジャンプスターターで充電する
ネット通販などでも最近は低額で売られていますが、小型のモバイルバッテリー「ジャンプスターター」というものがあります。
こちらはスマホなどの充電に使われるモバイルバッテリーのハイパワー版で、車のバッテリー端子にジャンプスターターのケーブルを接続するとバッテリーが上がった車のエンジン始動が可能となるものです。
こちらがあればいざというときに自力でバッテリー上がりに対処可能です。またスマホなどの充電にも使えますので一つ車に常備しておくことをお勧めします。
3.救援車を呼びジャンピングスタートを行う
近くにバッテリーを分けてくれる車がいるか、友人などを救援に呼ぶことができるなら、他の車のバッテリーと自分の車のバッテリーをブースターケーブルで接続し救援車から電力を分けてもらうことでエンジンの始動を行うことが可能です。それがジャンピングスタートです。そんなジャンピングスタートの正しいやり方は以下の通りです。
ブースターケーブルを使ったジャンピングスタートの方法
1.まずは車の先端どうしを接近させ、救援車側のエンジンを停止します。
2.双方のボンネットを開け、バッテリーの位置を確認したら、救援車側のバッテリーのプラス端子に2本あるブースターケーブルの赤いケーブルをつなぎます。
3.次に赤いケーブルの反対側をバッテリーの上がっている自分の車のプラス端子につなぎます。
4.続いて救援車側のバッテリーのマイナス端子に黒いケーブルをつなぎます。
5.黒いケーブルの反対側を自分の車のエンジンブロックやボディなどの金属部分につなぎます。金属部分が露出していない場合はバッテリーのマイナス端子につなぎます。
6.ケーブルが接続できたら救援車側のエンジンを始動し、回転数を2,000~3,000回転にキープしながら5分ほど待ちます。救援車側のオルタネーターで発電された電気でバッテリーにある程度充電されたらバッテリーの上がっている側の車のエンジンをかけましょう。
7.エンジンがかかったらエンジンをとめずにケーブルを外します。ケーブルを外す順番はつないだ順番の逆になります。エンジンが無事始動しても絶対に止めてはいけません。
8.アイドリングストップ機能付きの車はアイドリングストップ機能をオフにして、しばらくある程度の高回転を維持したまま走行してバッテリーを充電しましょう。
なお、ハイブリッド車に関してはジャンプスタートをする際のブースターケーブルをつなぐ場所が少し違っています。車種によって変わりますので詳しくは説明書を確認してください。
バッテリーを点検もしくは交換する
ジャンプスタートでエンジンの始動ができても、バッテリーはダメージを受けている可能性があります。エンジンを止めずそのまま走行してディーラーや修理工場、カー用品店などに行きバッテリーを点検してもらいましょう。
バッテリーに問題なければ補充電してもらい、もしバッテリーにダメージがあればバッテリーの交換を行ってください。
まとめ
「バッテリー上がり」は車のトラブルの代表ともいえるもの。それほど重大ではない身近なトラブルですが、いざ起きてしまうとついつい慌ててしまうものです。
しかし、日ごろから点検や定期的なバッテリー交換をキチンと行っておけば簡単に防ぐことができます。定期的なバッテリーチェックは欠かさないようにしてください。
もし自分でするバッテリーチェックに自信がないならディーラーや修理工場にお願いするか、ガソリンスタンドや最近はカー用品店などでも無料点検してもらえるのでそういったサービスを利用してみてください。
万が一ドライブ先でバッテリー上がりが起きた場合、どこに救援を頼めばいいのか確認しておくことも重要です。自動車保険などでは無料のロードサービスも提供されているので、あらかじめスマホに自動車保険のアプリをインストールしておくか、電話番号などをメモして車に乗せておくといいでしょう。
この記事の執筆者
関 秀紀
クルカ営業部 マネージャーの関 秀紀です。大学卒業後に某大手自動車メーカー系のリース会社を経て、クルカに入社。 リースキャリアは前職から合わせて5年。普段は営業職としてお客様に最適な車選びをご提案しています。 前職時代には保険人募集の資格を取得。自動車保険の提案も経験しており、安心・安全なカーライフのサポート。車選びと保険の相談は、是非、関までご連絡ください! 一人ひとりのお客様に良いご提案ができるようがんばります。
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