エアロパーツの装備について

マイカーに好みのパーツを装着して自分だけの一台にドレスアップをする。そんな車のカスタイズやドレスアップを趣味として楽しんでいるという方は少なくありません。中にはそのために収入のほとんどをつぎ込んでいるなどという方も決して珍しくはないようです。

そんなドレスアップやカスタマイズの主役ともいえるアイテムがエアロパーツ（スポイラー）です。空力的な性能の向上ももちろん期待できますが、車のスタイリングを大きく変えることができ目立つパーツなので自分好みの一台にカスタマイズするためにはとても効果的でしょう。

そんなエアロパーツですが、一口にエアロパーツといっていったいどんなものなのかご存じでしょうか。実はその種類は非常に幅広くそれぞれに効果が違っており、種類によっては装着するポイントも変わってきます。今回はそんなエアロパーツについて、種類の違いやその効果、さらに、カーリース車にエアロパーツは装着することは可能なのかなどについて詳しく解説します。

エアロパーツとは

エアロパーツは、本来は空気力学的な性能向上を狙った自動車用の部品を指します。装着することで空気抵抗を減らしたり、車体の浮き上がり（リフト）を抑えたり、走行性能や操縦安定性、さらに燃費の向上なども期待できるという空気力学的付加物です。

わかりやすいものでいうと、F1やGTカーなどレーシングカーに装着されている羽根のようなパーツがそうです。レーシングカーの場合はとにかく空力性能を向上させるために巨大なエアロパーツが装着されていますが、一般車のドレスアップ用にも様々なエアロパーツは使用されています。

ただ違いは主な目的です。一般車用のエアロパーツも走行中に生じる空気抵抗の減少や、操縦安定性能向上がちゃんと期待できるものもありますが、それ以上にドレスアップ効果を目的としたもののほうがほとんどでしょう。

エアロパーツは車に標準装備として初めから装着されている場合もあります。しかし、カスタマイズパーツとして後から車に装着するもののほうが多いでしょう。選択肢は非常に多くメーカー純正オプションパーツとして設定されているものもあります。また、市販品さらにその種類が充実しており人気車種となると市販されているエアロパーツのすべてを把握するのが難しいほどの商品数になります。

ただ、中にはエアロパーツとうたっていながら空力的な性能向上はほとんど期待できず、単に見た目を変えるだけが目的で、装着するとかえって空力性能が悪化してしまうような粗悪なものもあるようです。

エアロパーツの種類と特徴

エアロパーツにはエアロミラーやカナードといった小物もありますが、代表的なものはスポイラー呼ばれるアイテムです。スポイラーの語源は英語の「Spoiler」で、もともとは航空機の主翼に装備される装置で空気の流れをスポイル（無効化する）するというところからこの名前が付けられたとのこと。これが、後に自動車の空力的付加物（エアロパーツ）にも採用されています。

スポイラーには様々な種類がありますが、取り付ける箇所によって呼び名が異なっており、大きく分けるとフロント（前）用、サイド（横）用、リア（後ろ）用、ルーフやトランク用などがあります。メーカーによってその名前に多少違いがありますが、主なものとしては以下のようなアイテムがあります。

フロント用スポイラー

・フロントバンパースポイラー

・フロントアンダースポイラー

・フロントリップスポイラー

・ハーフスポイラー

サイド用スポイラー

・サイドアンダースポイラー

・サイドステップ

・サイドスカート

リア用スポイラー

・リアバンパースポイラー

・リアアンダースポイラー

・ロアスカート

・リアディフューザー

・テールゲートスポイラー

・トランクスポイラー

・ルーフスポイラー

・リアウイング

形状やデザイン、装着方法は千差万別で、例えばフロント用スポイラーだけでも純正のバンパーを丸ごと交換するフロントバンパースポイラーや、純正バンパーを延長する形で装着するフロントハーフスポイラー、バンパーの下部に装着するフロントアンダースポイラーやフロントリップスポイラーなどがあります。

価格は安価な1万円未満のものから、ドライカーボンを使用した100万円以上するものまで幅広い価格帯の商品があり、装着は両面テープで貼り付けるだけといった簡易なものもからバンパースポイラーやウイングなどは純正パーツの取り外しに車体への穴あけ、ボディカラーに合わせた塗装などといった大掛かりなフィッティングが必要なものまであります。そういった取り付けに手間がかかるものはパーツ代だけでなく高額な取り付け工賃なども必要です。

エアロパーツを装着するメリットとデメリット

スポイラーなどエアロパーツを装着することの一番のメリットは車の空力性能（エアロダイナミックス）が向上するということです。車が走行することで生まれる空気の流れをエアロパーツによって制御し、ダウンフォース（車を地面に押さえつける力）を発生させてグリップ力を高め操縦安定性などを向上させたり、空気抵抗を減らして燃費をアップさせたりする効果が得られます。

また、純正バンパーをFRPやカーボン製のバンパースポイラーに交換することで軽量化も可能です。他にも騒音を低減する効果を生み出してくれるエアロパーツなどもあります。

ただし、一般道の走行速度ではエアロパーツによって得られる空力的な性能向上効果は限定的です。高速道路やサーキット走行など高速域では効果が得られますが、一般道でエアロパーツを装着したことの効果を実感するというのはおそらく難しいでしょう。

それよりもエアロパーツを装着することで得られる大きな効果はドレスアップ効果です。純正のバンパーをバンパースポイラーに交換したり、リアウイングを装着したりすることで車の見た目を大きく変えることができます。

市販されているエアロパーツは、デザイン性の高いものも多く、装着することにより高級感やスポーティーさを演出することが可能です。また、パーツの組み合わせ方によって個性を際立たせることもできるというのも大きなメリット言えるでしょう。

エアロパーツはオプションやパーツメーカー製の新製品が次々と投入されており、どんなアイテムを選ぶかで自分なりのセンスでマイカーを様々なスタイルへとドレスアップすることが可能です。他にはない自分だけの一台にカスタマイズしたいという方にとってはとても魅力的なドレスアップアイテムといえるでしょう。

カーリースでエアロパーツの取り付けは可能？

マイカーをエアロパーツでカスタマイズすることは自由（保安基準に沿った範囲で）ですが、ではカーリース車の場合はエアロパーツを取り付けることは可能なのでしょうか。　これはケースバイケースです。

例えば、自動車メーカーの純正メーカーオプションやディーラーオプションで設定されているエアロパーツを、リースの契約時に依頼して、リース車に装着してから納車してもらうということは問題ないでしょう。

純正オプションで車をグレードアップするのですから価値は損なうことなくむしろ価値を上げる行為ですので何も問題ないでしょう。カーリースはリース満了時に原状回復を行うのが原則ですが、純正のオプションパーツであれば原状回復をする必要もありません。

最近は純正のエアロパーツにも様々なデザインのものが設定されており、また品質的にもメーカーが保証したものですので安心できます。リース車両にエアロパーツを装着したいという方は、まずは純正オプションを検討してみるのがオススメです。

エアロパーツの後付けは可能？

では、納車されたリース車両に、後から自分でエアロパーツを装着するというようなカスタマイズは可能なのか。カーリースを利用されている方、またこれからカーリースを利用しようと検討されている方は気になるのではないでしょうか。

カーリースでは前述の通りリース満了時に原状回復を行ったうえで車を返却しなくてはいけません。リース車は使用車名義こそリース契約者ですが所有者はあくまでカーリース会社であり自分の持ち物ではないからです。つまりリース車は借り物であり、リース契約者が勝手にドレスアップしたり後付けでエアロパーツを装着したりすることは基本的にNGです。

ただし、返却時に原状回復が可能であればエアロパーツの装着もOKとしているリース会社もあります。リースの契約満了後の査定に響かないよう完璧に原状回復が可能であるなら好みのエアロパーツも装着できると考えていいでしょう。

とはいえリース会社によっては一切のカスタマイズを禁止としている場合もあります。そのリース会社が後付けのエアロパーツの装着をOKとしているのか、またどれくらいのレベルまでなら許されるのかはケースバイケースですのでまずはリース会社に問い合わせてみることをおすすめします。 もし、そのリース会社が後付けエアロパーツの装着をOKとしていても車体に穴あけが必要など大きな加工を伴うようなパーツの装着は避けたほうが賢明です。場合によっては原状回復のための別途費用や、違約金が発生することもあるのでくれぐれも注意してください。